ご覧いただきありがとうございます。
読み聞かせ歴9年の私「ゆーこん」が、おすすめしたい絵本を紹介しています。読み聞かせの参考にしていただけたらとても嬉しいです。
目次
あなたがうまれたせかい
こんな絵本です
まずは表紙をご覧ください。
ロジャー・デュボアザン氏の素敵な絵で描かれた世界です。世界中のすべての子どもたちが「世界はこんなにも素敵なところなんだ」と思えたら、素晴らしいですね。
文 ウィリアム・ホール
絵 ロジャー・デュボアザン
訳 ほしかわ なつこ
童話館出版
32ページ
推奨年齢:3歳〜
読み聞かせ時間:8分
小さな男の子に語りかけるように1日が始まります。
朝にはお日さまの光、朝露のしずく、雨が降れば雨粒が、身近な人や物・動物・乗り物・建物にキラキラと降り注ぎます。
夕方になると長い影を作り、夜になれば闇がおとずれ月の光が差してくる。
私たちが生きている世界が、子ども目線で生き生きと美しく描かれます。
子ども目線の世界
子どもたちの未来のためにこの世界を守っていきたい、この世界をもっと良くしたいと思える絵本です。
大人たちは時間に追われ、この世界に目もくれず素通りしてしまうような、ありふれた日常の1日が描かれています。
子どもたちにとってはその何気ない一つ一つが、愉快で心躍る素敵なことなのだと改めて気づかされます。
絵本を通して見つめてみよう
始まりの頁には、2歳くらいの小さな男の子が、動物に触れ、玩具を引っぱり、虫や花に触ろうとする姿が見開きいっぱいに描かれています。小さな男の子の世界がありありと表現されています。
早朝のお日さまが微笑む先には、小鳥や牛乳配達のトラック。朝露のしずくはチューリップの花びらやくもの巣の上できらめきます。
夕暮れにはお日さまが長い影をつけますが、石ころ→小鳥→猫→犬・・・と小さい順に並んでいるところはクスッと微笑む可愛いらしさです。
”あなた”を名前で読む
あなたが生まれた世界は素敵なところです、の”あなた”の部分をお子様の名前で読んでみてください。
この世界に暖かく迎え入れられたんだよ。かけがえのない存在なんだよ。そんな気持ちで読んであげると、親も子も温かい気持ちになれます。
我が家のエピソード
驚きのリピート率
娘はこの絵本を何度も何度も何度も何度も「読んで」と絵本を小脇に抱え持ってきました。
リピート率が高すぎて正直うんざりしていましたが、そんなに読みたいと言うのには何か理由があるのだろうと、渋々読んでいました。懐かしい記憶です。
9歳になった今「この絵本のどこが好きだったの?」と聞くと「色んな人や物や生き物が出てくるところ」と。何と説明して良いのか分からない様子で答えました。
これから成長するにつれて、上手く説明できる日が来るのかもしれません。楽しみです。
感想
娘が幼かった頃、何が面白いのだろうと不思議で仕方なかったのに、今改めて読んでみて心にストンと落ちてくる感覚に襲われました。
何気ない物たちの動きや佇まいに心温まり、娘がこの絵本を好きな気持ちが今なら解ります。あの頃は、ただ読んでいるだけで向き合えることができていなかった。
今になってやっと私の心に余裕ができたのか、それとも心が変化したのか、歳をとったからなのか、この絵本に対する思いや姿勢が変わりました。
「それもまた、たのし」