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読み聞かせ歴9年の私「ゆーこん」がおすすめしたい絵本を紹介します。読み聞かせの参考にしていただけたらとても嬉しいです。
【こんにちはといってごらん】
こんな絵本です
まずは表紙をごらんください。
この小さなネズミの女の子はバネッサという名前です。大きな観葉植物の陰にかくれていますね。
これはお父さんやお母さんのお友達が家に訪ねてきた時の様子です。挨拶ができずにソファの下に隠れたり部屋の隅っこでうつむいてしまう、恥ずかしがり屋な女の子のお話です。
こんにちはといってごらん
マージョリー・W・シャーマット作
リリアン・ホーバン絵
さがのやよい訳
童話館出版
子どもの文学●緑の原っぱシリーズ・6
[児童書] 47ページ(字大きめ)
おすすめ年齢[小1~]
読み聞かせ時間[15分]
バネッサにはお友達が一人もいません。学校の授業では手をあげる勇気もありません。
お友達を作って学校生活を楽しみたいバネッサに、お母さんがアドバイスをします。「こんにちはといってごらん」と。
次の日バネッサは勇気を出して声をかけてみます・・。
★この作品は、「こんにちは、バネッサ」の題名で、岩崎書店より1984年に刊行されたものを、翻訳を新たにして出版したものです。〜童話館出版〜
クラス替えや入学シーズンにおすすめ
新しい環境の中にいる子どもたちに読んであげたい本です。子どもたちはこの時期、新しい環境の中でどのような気持ちでいるのでしょう。
ワクワク楽しんでいる子もいれば、バネッサのようにモジモジしている子もいるでしょう。大人でさえ環境の変化に付いていけずストレスを溜め込んでしまうことがあります。
ネズミの女の子「バネッサ」も学校生活に馴染めません。バネッサと自分自身を重ね合わせてみたり、いつも一人でいるお友達の気持ちを考えるきっかけになるかもしれません。
我が家のエピソード
娘は塾に通い始めたばかり。遠方の塾なので知り合いやお友達は一人もいません。友達同士で通塾している子もいますが、娘と同じように一人で過ごしている子もいるようです。
塾に通い始めて3日目の夜、娘が言いました。「私と同じように一人ぼっちの女の子がふたつ後ろの席にいるんだけど、今度”こんにちは”って話しかけてみようかな、バネッサみたいに」と。
2年前に読み聞かせた物語が娘の心に生きている!そう思いました。勇気を出して声をかけようとする時、心の中のバネッサがそっと娘の背中を押してくれることでしょう。
追記:その後、なかなか声をかけることができず、時間だけが過ぎて行きました。そして4月、学校では新学期が始まりクラス替えがありました。
学校で新しいお友達ができたと報告してきた娘は、「わたし決めた!今日”H”ちゃん(塾の気になる女の子)に話しかけるよ!」と勢いよく出かけていきました。
数時間後、帰宅した娘の顔はキラキラと輝いていました。Hちゃんに声をかけることができたよとピョンピョン飛び跳ねながら経緯を話す娘を見て、私まで嬉しくなりました。勇気を出せたのですね。
感想
どんなに忙しくても娘の声に耳を傾け、娘の心の声を聞くことはとても大切なことだと感じました。そして見守ることも。
楽しいこと、辛いこと、悲しかったこと、面白かったこと。「あ、これ、帰ったらお母さんに話そ。」「お母さんに相談してみよう」と思ってもらえるような、そんなお母さんが理想です。
「聞いて話して見守って」。バネッサのお母さんのように、例え失敗しても「じゃあ今度はこうしてみたら?」と上手くいくまで見守ってあげたいです。
裏表紙のバネッサは、もう引っ込み思案なバネッサではありません。堂々たるいい表情してます。
勇気をありがとう!バネッサの勇気が娘を応援してくれています。